United Nations Day of VESAK, Celebration and International Buddist Conference
「国連ウェーサクの日」 祝賀式典および国際仏教徒会議
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2013年度
第10回 国連ウェーサクの日祝賀式典
及び国際仏教徒会議 報告
開催期間 2013年5月20日~23日
会場
  • 国連アジア太平洋経済社会委員会大会議場、バンコク
主催
  • 国連ウェーサクの日国際委員会
メインテーマ
「教育:国際社会の一員であること:仏教的展望」
後援
  • タイ政府
参加数
  • 世界87ヶ国から1,400名、タイ国内からの参加を含めて約5,000名
2013年度 報告

5月の満月の日が、1999年12月15日に「国連ウェーサクの日」として国連の重要な日と国連総会(第54回総会、議題項目174その決議)に従って認知されて以降、国連本部と国連の地域事務所で祝われることとなり、今年で第10回目を迎えることとなった。

第10回国連ウェーサクの日祝賀式典は5月21日と22日の2日間、「教育:国際社会の一員であること:仏教的展望」というテーマのもとにタイの国連アジア太平洋センターの大会議場で開催された。今年はウェーサクの日の式典に加えて、タイ国最高サンガ評議委員会委員長で大僧正であるサムデット・プラ・ニャナサンバラ猊下の100歳の誕生日という慶事も加えて行われた。

祝賀式典には世界87ヶ国から1400名、タイ国内からの参加を含めて総勢約5000名の仏教徒が集まった。 日本からは天台宗の叡南覚範大僧正が団長として、世界連邦日本仏教徒協議会とITRIを中心とする約250名が参加使節団として参加した。

タイ僧団法王代理執行委員会の議長であるプラ・マラチャマンガラジャン大僧正先導の下に、会場に集まった一同は三宝を称えた。 猊下は、ウェーサクの日はすべての仏教徒が自分の教育上の実践と仏法の実践がブッダの道に従うものであるかどうかを顧みる良い機会であると述べた。また、すべての仏教徒が仏教の価値観を世界に広めるようにと参加者を励ました。 続いて、ブッダが述べた三つの側面からの教育プログラムについて次のように話した。

「ブッダは、生活を営む際に最も基本の修行法である三学を重視していました。その三学とは1.戒学 2.定学 3.慧学であります。

人間は、これら三学を学び、戒律を守り、道理の上に意を集め、理性により究極の道理を悟ることができるならば、世界は真の平和を迎えることができるでしょう。

仏教は、これらの三学が世界の人々を救済するための基本教育であるととらえています。というのは、三学が世界人類を苦しみから解放し、完全なる平和に導くことができるからです。ブッダが仏教徒に求める義務は、この三学への熟考であり、また世間の闇が照らされるよう地球に生きる人々の心の中にダルマの種を蒔き育成させることであります。これら三つの修養は必ずや世界を助けることができるものであり、国際社会に生きる人々を平和の方向へと導くことができるものです。世界をもっと平和で叡智に満ちた場所とするためにブッダの教えをひろめましょう。」

国連ウェーサクの日国際評議会会長でマハチュラ大学学長であるプラ・ブラマプンティット博士は、84ヶ国から集まった1400名の参加者に「仏教徒が仏教の教えに従えば、世界に必ずや平和が生まれる。それ故に仏教徒がブッダの教えを基礎とする教育を開発することが重要なのである。」と歓迎の挨拶を行った。

今年は副首相兼教育相のポンテープ・テープカンジャナ閣下が、基調講演を行いその中で五つの戒めを守ることの大切さを訴えた。ポンテープ・テープカンジャナ副首相兼教育相は、基調講演を行い次のように語った。「最も重要なことは、地球に住む人々が倫理性と道徳性を確実に身に備えているようにする必要がある、ということです。家族の中で、社会の中で、そして国と世界で、中道を守ることによって経済と倫理の間のバランスを取る必要があります。地球に住む人々が国際社会に生きる人々となるためには、特に初等教育の段階で素養と道徳性を確実に身に付けることができるように教育制度を改革することが必要です。」

開会のセレモニーはタイ王室のスリラスム皇太子妃殿下によって執り行われた。開会の辞において、スリラスム妃殿下は、「仏教は、教育に大きな関心を寄せている宗教です。私たちみんなが知っておりますように、仏教は3つの重要な実践を大切にしています:それは、いつも良き行動を行い良き言葉を使い、いつも心を安定させ平静を保ち、そして、いつも智慧を働かせて分別と明瞭な意識を持つ、ということです。これらの3つのことを完全に実践する人たちは、考えも心もより高いレベルに到達し、より純化された状態に達していると申せましょう。そのような人たちは、多くの人々や社会に幸福を本当にもたらすことができます。それゆえ、わが国だけでなく世界にとっても価値ある大切な人たちであると認められています。」と述べられた。妃殿下が主宰される開会のセレモニーでは世界から参加している仏教指導者に一人一人に直接贈り物を渡された。

日本からは天台宗の半田孝淳座主猊下のメッセージが天台宗臨済寺の秦順照師によって朗読が行われた。世界に常に目を向けられている半田孝淳座主猊下は、毎年欠かさず国連ウェーサクの日にはメッセージを寄せられている。

また、世界連邦日本仏教徒協議会で天台宗毘沙門堂ご門主の叡南覚範師は、約250名の日本からの参加使節団の団長として参加をされているが、ご自身でメッセージを発表された。

21日午後のパネル・ディスカッションではマヒンダ・ディーガル師が界の抱える難題に対処するためにメッタ・スッタ(慈悲経)を利用することを提案した。

国連事務総長から今年もメッセージが届いた。メッセージの中で国連事務総長は次のように述べている。

「苦痛に満ちた現実から逃れることはできないのですが、仏教はそのような現実とどのように取り組むべきかについて深く洞察し、私たちに教えてくれています。」

次にユネスコ事務総長はメッセージの中で、世界でユネスコの担っているのは教育プログラムだが、それに照らし合わせて、今回のテーマが大変重要であることを述べている。

タイのインラック首相は日本訪問中の為会場に出席することはなかったが、「社会の発展も環境の開発も、仏教の道徳律に従い、仏教の基本原理に従って進めていかねばなりません。」というメッセージが朗読された。

今回ミャンマーの副大統領が会場に参加しスピーチを行った。 「私たちはみんな、肌の色や性別や信仰や社会的地位にかかわらず同朋である全ての人間とつながっている、ということを強調されておられるのです。」と述べた。

この2日間の締めくくりとして国連ウェーサクの日国際評議会議長としてプラ・ブラマプンティット博士は「世界を見るパンニャ、智慧からは、おのずと親愛の情と慈悲の心が生まれ出てきます。 このことを私は私たちの討論と意見の交換から心に深く刻み込みました。」と語り、9項目からなる第10回バンコク宣言を発表した。

閉会のセレモニーは、タイ僧団法王代理執行委員会の議長であるプラ・マラチャマンガラジャン大僧正によって執り行われ、式典はすべて終了した。

2013年10月24日
国連ウェーサクの日国際評議会
パラクルパラッド・スワラナワチラコン
豊田信雄
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