1999年12月に開催された第54回国連総会において、ウェーサクの日を「国際的に重要な国連の日」とする次のような「ウェーサクの日の国際的認知」宣言が行われました。
国連総会は、
毎年5月の満月の日であるウェーサクの日が国際的に、特に国連本部及びその他の国連事務所において認知されるようにとの、1988年スリランカにおける国際仏教会議によって表明された希望を承認し、
毎年5月の満月の日が仏教徒にとって最も聖なる日であり、仏教徒はこの日に仏陀の誕生、悟り、入滅を祝うものであることを認識し、
国連本部及びその他の国連事務所における国際的認知によって、世界最古の宗教の一つである仏教が、過去2000年以上にわたって人間精神に果たしてきた貢献、そして今なお果たし続けている貢献に対する承認が与えられることを考慮し、
国連が経費を負担することなく、国連本部及びその他の国連事務所において、関連する国連事務所及び意見聴取を希望する国連代表部との協議のもとに、ウェーサクの国際的祝典のために適切な用意が成されるべきであることを決議する。
国連総会は仏陀の誕生、悟り、入滅を記念する日を特別の日として認識し、毎年5月の満月に日に最も聖なる日として、世界中の人がそれを祝うことを国連がサポートすることを決議しました。
タイなど上座部仏教国を中心に古くから祝われてきた、仏誕節、ウェーサクのお祝いが、国連から世界の特別に重要な日として認められました。
国連ウェーサクの日祝賀と国際仏教徒会議はニューヨークの国連会議場で開催の後、タイを含むアジア各国で多くの式典を開催をしてまいりました。
式典にはアジア諸国を中心とする上座部仏教国をはじめ日本や中国などの大乗仏教国そして、欧米からも考え方や習慣の違いを超えて80カ国を超える国々から多くの参加者が集まりました。
それぞれの国における文化と一体となっている仏教は様々な尊敬されるべき習慣や様式をもっています。それらは尊敬されるべきものです。しかしながら世界の仏教徒が一つに集まり、仏陀の日をお祝いすることにはまた大きな意味があるように思えます。
2002年5月6日、ニューヨーク(国連本部)にて開催されたウェーサクの日の式典に送られた国連事務総長 コフィ・アナン氏のメッセージに下記のような一節があります。
ゴータマ・ブッダの誕生と悟り、そして、入滅を記念するこの幸せな機会に私の心からの挨拶をお送りできることは大きな喜びです。このウェーサクの日に、私達の生まれが、私達の人種が、私達の文化が、また、私達の信仰がどのようなものであろうとも、私達は皆、本質的に違いはしないということを思い出しましょう。何よりも、私達は共通の故郷を、そこで私達が共に生きなければならない小さくなりつつある惑星を分かち持っているのです。ですから、世界中の人々の共通の利益と調和に満ちた平和な共存に向かって一緒に活動しましょう。 皆様が素晴らしいウェーサクを過ごされますようお祈り致します。
国連事務総長 コフィ・アナン
IOCによるこの式典は、世界中の国連会議場や国連の施設に於いて5月の満月の日に世界中の仏教徒が仏陀のお祝いのために一同に集まり仏誕節を祝福し、ウェーサクの日の真の重要性を認識し、世界共同体の精神における確固たる信念を培い、それをもって今後長年にわたる平和な世界を築きあげるためにより多くの協力が得られるようにすることを目的としています。
私たちが国連でウェーサクの日を祝うために集まっておりますが、それはただ単に仏陀をあがめるためだけではなく、仏陀のメッセージは今日なお世界に強く関わったものである、ということをこの国連という高名な国際機関を通して世界に思い出してもらうためでもあります。
私たち国連のウェーサクの日・日本委員会は国際組織員会と協力しながら、国連における祝賀式典の開催と日本での国連ウェーサクの日の案内活動を行っています。
1999年12月13日、第54回国連総会の議事項目174で、34ヶ国の代表からの合同提議に従って、国連はウェーサクの日を国際的な日と認め、2000年より先、国連本部とその他の国連地域事務所においてウェーサクの日を国際的に祝う、ふさわしい準備をすることを勧告しました。
その後、国連本部と国連の地域事務所で毎年ウェーサクの日の祝祭が行われたのに続き、2004年5月に、12ヶ国の仏教指導者達がバンコクに集まってウェーサクの日を祝いました。この2004年世界仏教指導者会議は、“世界中の仏教と信仰の対象物、そして聖地を維持し保護すること”;“仏教の研究と実践”そして“平和”を促進すること;及び、“ウェーサクの日を国連本部とその地域事務所、そして、特に、バンコクの※国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)で、国際的な規模で合同して祝うこと”を決議しました。加えて、同年7月に開催された小乗仏教と大乗仏教に関する第1回国際会議においてもまた、世界の仏教指導者達だけではなく学者達も招集しての2005年国際ウェーサクの日祝典を調整準備するために“活動委員会を設立すること”が勧告されました。
そこで、2006年の国連ウェーサクの日に開かれる第3回国際仏教徒会議の祝典を調整するために、前述の諸会議における合意によって与えられた枠組み、殊に、国際的な団体の設立に対する要求に関する枠組みに従って、様々な仏教指導者達や学者達との度重なる相談の後に、2005年8月29日と30日の両日、バンコクで開かれた準備会議において、2006年国連ウェーサクの日国際仏教徒会議に向けての合同国際組織委員会が結成されました。国連ウェーサクの日祝賀式典と国際仏教徒会議を開催する実行委員会の役目を持っています。
※タイにある国連のアジア・太平洋代表部。アジアとオセアニアを中心に53カ国と9地域が加盟しています。
ウェーサクの日は、仏陀の誕生だけではなくその悟りも祝い、また、仏陀の入滅も記念する日です。
仏陀の誕生の日、悟りを開いた日、入滅の日が全てインド歴第二月の第一満月の夜(陰暦の5月)だったと言われ、この月の満月は、太陽が雄牛座から登るウェーサクの日、「ウェーサク」はスリランカで使われるシンハラ語でのインド暦第2月の名前からきており、グレゴリオ暦では4月から5月頃の満月にあたります。
日本や中国などの大乗仏教の国々では、仏陀釈迦牟尼は4月8日に誕生し、悟りを得たのは12月8日であり、涅槃に入ったのは2月15日といわれていますが、タイやスリランカなど上座部仏教の国々では、仏陀の誕生日は、ウェーサクの日という名でより親しまれています。
この日は世界中の何百万人もの仏教徒がこの時を華やかに、あるいは、静かな内省のうちに祝い、世界にその教えを与えてくれた仏陀に敬意を表し、彼が追い求め、ついに悟りによって得た偉大な慈悲の心を思い出す機会です。
インドを出発点とした仏陀の教えは仏教として世界のあらゆる地域に広がりました。仏教の美術や文化そしてさまざまな仏教の慣習は、それぞれの国々で理解され適応してまいりました。とはいえ、多くの慣習は本質的に世界共通になっています。
1999年12月15日に国連は、ウェーサクの日を世界の重要な日として認識し、このウェーサクの日に世界中の国連の施設でお祝いをすることを奨励するという決議を行いました。
それ以来私たちは、国連本部および世界中の国連事務所で、ウェーサクの祝賀を仏陀の日としてすべての宗派が一緒になってお祝いをすることになりました。
世界には様々な多様性があり、さまざまな文化や慣習があります。私たちはそれを理解した上で、世界の仏教徒が宗派、人種、国境を越えて一つに集まれる日として、国連に認識されたこのウェーサクの日を世界の重要な日として、一つに集まることを皆様に呼び掛けたいと考えます。
ウェーサクの日にお釈迦様の祝賀に世界中の仏教徒と共に集まりましょう。
999年12月15日以降、世界で開催される国連ウェーサクの日の祝祭の開催に関わってまいりました。マハチュラロンコーンラジャウィタヤライ大学のダマコサジャーン学長のリーダーシップのもとに世界60カ国以上の国々から何万人もの心ある仏教徒の方々が集まりました。
フランスのダンマラターナ博士、マレーシアのゴーセンチャイ氏、英国のダマサミ師、オーストラリアのティ・カンバ師、ロサンゼルスのチャオ・チュウ師、パロップ氏など多くの組織委員の献身的な努力で活動が進められてきました。当初から世界青年仏教徒フォーラムのラリット・バクシー氏、松本廣氏、浅川重美氏などの方々の熱心な参加と協力を頂き、この活動を続けることができました。
また2005年度からは叡南覚範大僧正を始め天台宗の西岡良光大僧正、可児光永師、秦順正師、浄土宗の小田義海師、真言宗の水谷栄寛師、全日本仏教婦人連盟の林惠智子女史などの多くの宗派や団体から構成される世界連邦日本仏教徒協議会からも参加やご協力を頂き、強い力を得て大きな集まりとなってまいりました。妙心寺の則竹秀南老子も数多く参加されています。
この活動をさらに日本の方々に知っていただくことは大変重要であるとの国際組織員会の強い願いで、従来までの国際組織員会の日本の代表委員として活動する立場から、少し進めて、国際委員会の活動と共に、日本での皆様への国連ウェーサクの日の案内を進めるため、日本委員会を創設いたしました。
国連のウェーサクは年に一度、世界の仏教徒が一同に集まり人種、国境、宗派を超えてお釈迦様の記念日を祝う式典です。
日本においても年に一度、宗派を超えてお釈迦様のお祝いを日本全土で行い、平和を祈願する。このような活動をこの日本設立委員会でも進めることに尽力したいと思います。
また世界の国連ウェーサクの日・国際組織委員会とも協力し、世界の仏教徒がともに一同に集まり、共に平和を祈願し、仏陀の教えのもとに世界の平和に向けての活動を進めてゆけるように活動を進めてまいる所存です。
皆様のご協力をお願い申し上げます。