バンコク/国連事務総長は、国連ウェーサクの日のタイ国の組織・運営者達に対する支持を表明する書簡の中で、ブッダの教えを、世界の社会的・経済的諸問題を解決するという国連の目標と結びつけた。
潘基文事務総長は、伝統的な仏教国である大韓民国の出身であるが、その書簡の中で、ブッダは、世界が今日直面している極めて重大な諸問題を解決しようとする努力に指針を与えることができる深い教えを人類に与えた、と語った。
「貪欲、怒り、無知という三毒に対するブッダの戒めは、豊かな今日の世界でほぼ十億人もの人々を不必要に苦しめている飢餓に関する、毎年何百万人もの命を奪っている残酷な暴力に関する、そして人間が唯一の故郷である地球という惑星に引き起こしている無頓着な環境破壊に関する多面的な議論に生気を吹き込むことができる。」と潘はその書簡の中で述べている。
ウェーサクはブッダの誕生、悟り、そして入滅を祝う大きな仏教行事である。それは5月の最初の満月の日に行われるが、閏年には6月に行われる。1999年に、国連総会はウェーサクを国連の日として認める決議を可決した。この決議が行われて以来、タイ国は毎年のこの行事の組織・運営に当って指導的役割を果たしてきている。今年のお祭りは5月12日から14日にアユタヤとバンコクで行われる。
今年タイ国で行われるウェーサクの日のお祝いは、タイ国の非常に人気の高いプーミポン・アドゥンラヤデート国王陛下の84歳の誕生日と合わせて組織されてきた。国王は、1946年から王位に就いている世界で最も在位期間が長い君主であり、また、タイ国の仏教信仰の守り手である。
潘はその書簡の中で、社会的・経済的発展というウェーサクの日のテーマは現代的に聞こえるが、「しかし、このテーマの核心は、まさしく人間の苦しみという問題に他ならない。そしてこれは、シッダールタ・ゴータマが、2500年以上前に彼の宮殿を去り、この世の所有物を全て捨て去って、世界へ歩み出て取り組もうとした問題なのである。」
様々な仏教団体がブッダの教えを実践している、と潘は付け加えている。「国連は、世界が今日直面している大きな社会的・経済的難題に取り組むための青写真としてミレニアム開発目標を掲げていますが、仏教徒の皆さんがこの目標を達成しようとする国連の活動を支持して下さっていることに対し、深く感謝しております。」と書簡の中で述べた。
潘はまた、全ての人々が仏教の普遍的な価値を用いて、苦しんでいる人々と団結して行動し、より慈悲深い、より啓蒙された世界を作るのに貢献することを希望している、と語った。
前年までと同じく、マハチュラロンコーン仏教大学がウェーサクの日の様々な行事の主要な組織・運営者となる。パネル・グループは、マハチュラロンコーン仏教大学ワンノイ・キャンパスで、次のようなことについて話し合うことになっている。
1.(タイ国における)社会的・経済的発展における仏教の徳
2.仏教のリーダーシップと社会的・経済的発展
3.調和のある社会を建設する
4.環境の保全と回復
5.社会を目覚めさせるための叡智
6.共通仏教経典―CBTについての研究会
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