アジアニュース(2010年5月25日)
タイ国は、死と破壊を撒き散らした数週間にわたる緊張と暴力に今だに揺れ動いている。日本の団体との共同で主催される2010年の会議のテーマは、世界経済における仏教徒の『展望』に焦点を置いている。国の平和を願って、祈りと瞑想が捧げられ、また、ろうそくを掲げての行進が行われる。
2010年5月25日、火曜日
アジアニュース
バンコク − 仏陀の誕生と悟りと入滅を記念するウェーサクの祝賀は、死と破壊を撒き散らした最近数週間の政治と社会の危機に揺れるタイにとって、沈思と祈りと恵みの時である。それは、平和と団結を求めるタイ社会が、また、近年の歴史上未曾有の経済危機を克服しなければならない世界中の国々が、抱えてる様々な難題に取り組む出発点となるよう計画されている。
この象の国が世界の仏教の中心地である、と宣言した国際連合が後援する催し、ウェーサクの日祝賀式典の第7回会議は、日本がタイ国との共同主催者となっている。“祝賀式典は5月23日から25日まで開催されるが、その中心テーマは『地球の回復:仏教徒の展望』で、経済に焦点が置かれている。”タイ最高サンガ評議会のソムデト・プラ・ブッタチャーン議長が、世界中から集まった400名の仏教の長老達と80以上の国を代表する1300人の仏教指導者達と共に出席した会議の開会式には、ワチラロンコン皇太子と妻のスイラサミ妃が臨席された。
マハチュラロンコーン仏教大学学長(MCU)のプラ・ダルマコサジャンは、仏教サンガと僧達は皆、『国王の幸運を祈り』、また、深刻な社会と政治の危機に苦しむ『国の早急の回復を祈るために』、読経と瞑想を行なう必要がある、ということを強調した。まさしくこのために、本日午後5時に、ナコンパソム県のブッタモントンにおいて祈願会が行われ、引き続いて、ろうそくを掲げての行進が行われた。
日本の最も著名な論者の一人であり大学教授である斉藤円真は、経済と金融の観点から、仏教教育がどのような貢献をしているかを分析しているが。彼は、ローマ法王ヨハネ・パウロ二世が、1981年に日本を訪れた際に、『己を忘れ他を利するは慈悲の極みなり』という日本の天台宗の祖、最澄の言葉を引用したことに言及し、私達は、他人にその結果を負わせることなく、「不運な出来事や予見できなかった困難な問題を受け入れることができねばならない」、と語った。
タイ陸軍のアヌポン・パオチンダ司令官は、「仏陀の法は、私達の心と精神の中に善行と寛容と道徳を常にとどめておくための非常に貴重な哲学であり」、それは個人と『社会全体』の両方に恩恵を与える、ということを強調した。中国仏教の指導者、プラ・マハガナチャラヤチーン・ダルマサマディヴァツラは、『民族間の対立』と『天然資源に関する問題』が世界中で起きているが、それは『人間の精神が仏法から離れてしまった』ためである、と指摘している。
タイ国民6,220万人の約90%が、紀元前3世紀頃にインドからこの国にもたらされた上座部仏教を実践している。この部派は、三蔵(仏教における一種の聖書)として知られる仏陀の教えのパーリ語正典に基礎をおいている。タイ国では、今年のウェーサクの祝祭は、本日5月25日にお祝いされる。
(発信元:アジアニュース)
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