「国連ウェーサクの日」祝賀式典および国際仏教徒会議 国連ウェーサクの日・日本委員会公式ホームページ
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【 2009年度版 】
「世界的危機の背景には精神的価値の後退がある」
  ネーション紙(2009年5月7日)

タイでヴィサカ・プージャの式典
  MCUニュース局(2009年5月9日)

仏教の中庸と心の平安:人生のあらゆる問題と危機への解決策
  MCUニュース局(2009年5月9日)
 
特別報告:ウェーサクの日と国連ウェーサクの日国際評議会(ICUNDV)
  タイ国家ニュース局(2009年5月9日)

ウェーサク式典レポート
  佛教タイムス(2009年5月14日〜6月11日)

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ニュース 1
『世界的危機の背景には精神的価値の後退がある』
ネーション紙(2009年5月7日)

 昨日、世界70カ国以上から集まった仏教指導者たちは、世界経済危機が精神的価値の後退に由来していることを確認し、世界的金融経済システムの透明な再編を求めていくことに合意した。
 ウェーサク祭に因んで開かれた第6回国際仏教徒会議は、経済危機の克服に精神的価値の復興を、金融システム改善に透明性を求めるバンコク宣言を発表して終了した。
 世界71の国々地域から集まった参加者は、ナコンパトム県プッタモントン公会堂、アユタヤ県ワンノイ郡マハチュラロンコンラージャウィタヤライ本校キャンパス、およびバンコク国連会議センターの三か所において、国連ウェーサク祭に因んで開催された国際仏教徒会議に臨んだ。
 同会議は5月の満月の日に当たるウェーサク祭を祝うために月曜日から昨日まで開催された。アピシット・ウェーチャーチーワ首相は、同会議が平和と幸福の基礎となる仏陀の教えをより良く理解することに貢献したと述べた。仏教と世界的危機に関連する問題を検討した結果、同会議は次のような提言をウェーサク祭バンコク宣言として発表することに合意した。
● あらゆる国家に及んでいる未曾有の世界的経済危機の衝撃を認識し、また、経済的、政治的、環境的、社会的危機と精神的空白との関係を認識した上で、今日の世界的危機の解決に役立つ精神的価値を普及浸透させるために倍の努力を行う。
● 社会経済の安定と持続的な発展を達成するために、正直、勤勉、他者尊重、扶助などの重要な道徳観を植え付けることによって、社会的責任を有し、透明性があり、互助的な金融・経済システムを至急確立するよう奨励する
● 平和の発展、社会の調和、衝突の解決にグッドガバナンスの利用を奨励し、倫理的・社会的公正を護持する。
● 相互に関連しあう世界において人類の行為が及ぼす影響に注意し、地球を守る必要性を意識し、仏教的因果律の概念を理解することを積極的に奨励する。
● 上座部仏教、大乗仏教、金剛乗仏教の様々な教えと現代社会の人々に相応しい教えを反映させた一般仏教書を編纂することで、より広い社会に対し、仏教原理のより良い理解を広める。
● 学術協力促進、教職員・学生交流、共同資金調達などの面において、メンバーがボトムアップ方式で参加することを基本として国際仏教大学協会(IABU)を発展させる。
● IABU内の電子データ資源グループの先駆的な作業に敬意を表する。ハノイにおける国連ウェーサク祭会議での「仏教学における主要デジタルプロジェクト」に係る決定事項を実行に移し、16カ国の23校から専門家を招いて重要なデータの交換のためにグループ編成を行い、第1回仏教テキスト統一カタログ開発協力プロジェクトを策定し、存在する限りの膨大な数の電子データ資源を収集した。特に各種言語(パーリ語、サンスクリット語、中国語、チベット語、モンゴル語)で記された三蔵を収集し、統一ポータルを通しての共同利用が可能となっている。
● かつて国際組織委員会(IOC)と呼んでいた国連ウェーサク祭国際委員会(ICUNDV)の法人登録を承認する。
● バンコクの国連会議センターを2010年度国連ウェーサク祭の会場と定め、タイと日本の共同開催とすることを承認する。

(ネーション紙)

ネーション紙
ネーション紙(第1面)
[2009年5月7日記事]
ニュース 2
タイでヴィサカ・プージャの式典
MCUニュース局(2009年5月9日)

 ウェーサクの日、すなわち、ヴィサカ・プージャは、陰暦の6番目の月の満月の日にあたり、今年は5月8日であった。タイで5月4日から6日まで行われた国連ウェーサクの日の国際仏教徒会議に、世界中からおよそ2,000人の仏教指導者が参加した。

ヴィサカ・プージャは仏陀の誕生と悟りの達成、そして、入滅を記念する日である。これらの三つの出来事は、驚くべきことに、違う年の同じこの日に起こった。仏陀は35才の時に悟りを達成し、80才で入滅されたが、その間の45年にわたり、苦しみからの解放という教義を広め続けられた。

国連総会は、1999年の終わり、第79回本会議において、ウェーサクの日を国際的に認知する決議を採択した。その決議は、毎年5月の満月の日が仏教徒にとって最も神聖な日であることを認めている。ヴィサカ・プージャの国際的認知はまた、仏教が2,500年以上にわたってなしてきた貢献を認めることでもある。

仏陀は、社会の平和と平穏のために、相互に親愛と寛容の心を持つべきことを教えた。これらの信条は、国連憲章でも同じように謳われていることから、国連は、ヴィサカ・プージャは世界にとって重要な日であると宣言し、毎年5月に国連本部と他の国連事務所においてふさわしく祝祭を行うように指示した。

シリワンナワリー・ナリラタナ王女殿下が、マハー・ワチラロンコン皇太子殿下の代理として、2009年国連ウェーサクの日祝祭国際仏教徒会議の開会式を主宰された。王女殿下は、演説の中で、仏陀の教えは、ダルマ(法)を理解するために必要な徳、個人のそして世界全体の平和と幸福と安寧のためにダルマを世界中に広めるために必要な徳を全て与えてくださる、と話された。会議で話し合われる主要なテーマは、環境危機への仏教の取り組み、経済危機への仏教の取り組み、政治紛争と平和の進展への仏教の取り組みなどである。

仏教は、インドのアショーカ大王の治世である仏暦218年に初めてタイに到来した。タイの社会に紹介されると、仏教は、寛容と個人の率先に重きを置くその教え故に、広く受け入れられた。仏教は、タイの人々が大切にする心を自由を保ちたいという気持ちを補って完全なものとした。仏教はタイの芸術、文化、伝統、そして、学問に非常に大きな影響を与えてきた。さらに重要なことに、仏教はタイの大多数の人々の性格に決定的な影響を与えている。

現在、タイは、仏教の地位を世界中で高めるための調整と協力を押し進めている国際的な仏教団体である世界仏教徒連盟の本拠地である。タイ国内には、現在、およそ32、700の仏教僧院があり、350,000人以上の僧がいる。

(MCUニュース局)

ニュース 3
仏教の中庸と心の平安:
人生のあらゆる問題と危機への解決策
MCUニュース局(2009年5月9日)

仏教の中庸と心の平安は、皆様を人生のあらゆる問題と危機の解決策へと導いてくれることでしょう。国連ウェーサクの日、すなわち、ヴィサカ・プージャの式典で演説したアピシット・ウェーチャーチーワ首相は、その中で、仏陀の中庸の教え−節度と合理性、そして自己認識に基づく行動指針−に言及した。

首相は、5月9日、バンコクの国連会議センターで、国連ウェーサクの日の第6回国際仏教徒会議に集まった80ヶ国の仏教指導者達の前で演説した。タイは以前、2004年から2007年までこの会議を主催した。仏教伝統においてもっとも重要な日の一つであるヴィサカ・プージャは、陰暦の6番目の月の満月の日にあたり、今年は5月8日であった。2009年という年は、国連総会が、ヴィサカ・プージャを国連ウェーサクの日として祭る決議を採択してから10周年にあたる特に重要な年である。1999年以来、ウェーサクの日は、ニューヨークの国連本部と各地の国連地域事務所で祝われてきた。

中庸の教えの他にも、仏陀は、慈悲心を持つこと、知識を正しい目的のために使うこと、そして、寛容の心を持ち他の人々を敬うことを人々に教えている。これらの信条は、時代を超越したものであり、今日の世界においてますます重要性をもつものとなっている。

アピシット首相は次のように語った:現代の科学と科学技術によってもたらされた今日の世界にみられる様々な進歩にもかかわらず、いまだに地球の多くの地域で人々が苦しんでいる。貧困、テロ、環境悪化、自然災害、内戦と争乱、そしてもちろん現在起こっている世界経済危機。これらは、平和と繁栄と幸福を願う人々の希望や切望をしばしば打ち砕くおなじみの問題である。これらの問題はまた、その程度にこそ差があれ、多くの人々に苦悩と損失と怒りを引き起こしてきた。しかしながら、首相は、人々が謙虚に仏陀の教えに従い、慈悲心と寛容とお互いを許す気持ちを持つことを学び、憎しみや嫉妬、利己心、そして、暴力性を彼らの心から消し去れば、これらの問題をついには克服することができると信じている。

彼は、政治紛争であろうと、経済成長を達成しようとする試みや願望であろうと、あるいは、多文化社会で共に生きるという問題であろうと、様々な形の過激主義から生まれている数多くの世界的な問題に人々が直面している今日ほど、仏陀の中庸の教えがふさわしい時代はない、と指摘した。

多くの国々が、経済において、政治において、そして、社会において、非常に困難な時期を経験しているが、もしもその国の国民が仏陀の教えに従い、平安と智恵を自らの内に求めて自分自身の個人的な問題を克服すれば、これらの問題を克服しようとする各国政府の道はもっと容易なものとなるだろう、と彼は語った。

(MCUニュース局)

ニュース 4
特別報告:
ウェーサクの日と国連ウェーサクの日国際評議会
(ICUNDV)
タイ国家ニュース局(2009年5月9日)

タイは、本日、仏陀の誕生と悟りと入滅を記念するウェーサクという偉大な祝典を世界の仏教界と共に祝う。今年は、国内的にも国際的にも、経済から社会にいたるまで様々な大きな危機のさなかにあり、タイ政府と国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)の後援を受けている国連ウェーサクの日国際評議会(ICUNDV)もこの情勢の影響を免れていないが、そうした中で行なわれる今年のウェーサクの日は例年以上に大きな意味を帯びている。

マハチュラロンコーン仏教大学が組織するICUNDVは、毎年、仏教指導者達が集い、世界における仏教の現況や信仰に関する様々なテーマを話し合うという、世界の仏教界の学究的な集まりとしての役割を果たしている。今年は、世界情勢に関連して“世界危機への仏教の取り組み:経済紛争、政治紛争と平和の発展”というテーマが取り上げられる。

マハチュラロンコーン仏教大学の学長である尊師プラ・ダマコサジャン教授は、去る5月5日に、ICUNDVに向けた冒頭の挨拶の中で、仏教の教えは世俗に対して超然としているが、仏教指導者と実践者は紛争を調停し解決することは彼らの信仰に内在的に含まれていることであることを理解しなければならない、と述べた。彼は、現在起こっているタイとカンボジアの国境紛争を会議のテーマと関連づけ、その紛争と仏教の関係を示唆し、仏教という宗教を奉じる宗教者達が紛争解決のために働く必要があることを示した。そして、彼は、仏教の目指すものは心の平和、社会の平和、そして、世界の平和である、とはっきりと述べた。

UNESCAPは、国連の一機関として、1999年に国連がこの行事を始めた時からICUNDVを支援している。同委員会の支援は、平和を求める仏教の努力を国連が認めていることを示している。

(タイ国家ニュース局)

ニュース 5
ウェーサク式典レポート
佛教タイムス(2009年5月14日〜6月11日)

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